能登には「あえのこと」という、国の重要無形文化財に指定された行事がある。
毎年12月5日、家の主が田んぼの一角に立ち、
「田の神様、長らくお疲れ様でした。お迎えに上がりました」
と、まるでそこにいるかのように語りかけ、
家に招き、風呂に入れ、ごちそうでもてなすのだ。
神様は「目が不自由な夫婦」(働き過ぎとか、稲穂で目を突かれたとか、諸説あり)
だそう。 家で越冬してもらい、2月9日に
「神様、ご苦労様ですが今年も雨にも風にも負けず、豊作と鳴るようお願いします」
といって送り出す。
紋付き袴でちゃんとする人もあれば、けっこうラフにやる人も多いみたい。
「エア神様」もリアルに振る舞えば、そこにいるかのようなフシギ。
私がもてなしたら、神様を「要介護者」にしてしまいそう…。
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