「おばさん、またあんなこといってるわ」
「ほおっておけ。イデオロギーの違いじゃ」
「ったくアホらしくて飲まなきゃやってらんないわ!
セバスチャン、おかわり!」
そのよるハイジョはあびるようにお酒を飲みました。
そして2007年4月、とうとう記念館が完成しました。
「見て!安藤忠雄の建築よ!すてき。世界のアンドーよ!」
デーテおばさんはうっとりとコンクリートの建物を見上げます。
ハイジョとおじいさんもさっそく中に入ってみました。
ダラダラとスロープをのぼっても、そこにあるのはレプリカばかり。
ほんとうに「ハコモノ」記念館だったのです。
「おじいさん・・・」
「みんな税金じゃよ」
コンクリートの建物は、窓を開けてもテラスに出ることは出来ません。
いろんな意味でめまいを起こしそうです。
急な坂道なので、車いすも使えません。
「わたしも自分の足であの記念館を歩いてみたい。ハイジョ、まって。おねがい!」
ハイジョが振り向くと、なんと!クララが立っています!
「ハイジョ、わたし・・・」
「クララ、クララが立った!記念館も建ったけど、クララも立った!」
「夢じゃないのね。でもこれからは維持費が必要なのね。」
「・・・。」
来年にはスペシャル大河ドラマ放映で、この記念館に多くの人が見られることでしょう。
完
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