ペーターのおばあさんも心配です。
けれど行政側だって負けてはいられません。
大手広告代理店や有名な学者さんに頼んで、展示計画をつくってもらいました。
「わたし、記念館なんかいらない・・・。
あんな長ったらしい小説なんか読みたくないし、
アジアの侵略の歴史を描いた小説をまちづくりに使うのは反対だわ。
シバさんだってきっと草葉の陰で泣いてるにちがいないわ」
「そうだ!クララ、いいこと考えたわ。ビラを配ってみんなに知らせてくる!」
ハイジョはむちゅうでとびだしました。
「まぁ、アーデルハイジョ!おまちなさい!市民運動なんて過激な!」
ロッテンマイヤーさんはハイジョをひきとめました。
「はなして!市民運動はわるいことじゃないわ!」
「いつでも一割の反対者はいるものです。
ああいう運動をしている人は政治活動をしている人が多いのです」
市長さんは愛媛ジャーナルでハイジョたちのことを非難しました。
これじゃあまるで「主義者」の「非国民」です。
「市長のわからずや!アホボケカスおたんちん!」
(つづく)
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