勇気ある撤退

201309tettai-sekkei

ゴローが一週間の夏休みがとれたので、白馬登山に行くことにした。天気予報はずっと雨マーク。
とりあえず長野まで行ってみたもの、天気は悪そう。
小布施に1泊、善光寺を観光。
さらに白馬のふもとの素泊まり宿で天候の回復を待つが雨マークは変わらない。
しかも埼玉、千葉で竜巻のニュース。
追い打ちをかけるように台風発生。
これで日本中雨マークに。
大気の状態とともに、ワタシの精神状態も不安定。
いつまでも時間つぶしもしていられないので、「午前中晴れ」の予報を頼りに、とりあえず猿倉荘を出発。
1時間ほどで大雪渓手前の尻小屋に到着。
予報通り、なんとか天気は持ち続けたが、大雪渓から見上げる山々はどんより雲に覆われている。
しかもところどころ青空が。
これって天候の急変の兆し? かえってヤバいんじゃない?
ゴローはあとでネチネチ言われたくないから、
「心配だったら山小屋の人に聞いてみたら?」と責任転嫁。
「あのぉ〜、今日って雨降りますかねぇ?」と弱々しげに山小屋の人に声をかけると、
「ま、降るでしょうね」とテレビの天気予報をつけてくれた。
「あのぉ〜雷は…」
「あるでしょうね」
ダメだ! やっぱ今回だけはイヤな予感がする!
「どうやった?」と聞くゴローに
「引き返す勇気も必要や!」と言って引き返すことにした。
途中、何度も振り返って大雪渓をうらめしげに眺めていると、
「おはよーございま〜す」と次々と上ってくる登山客とすれ違う。
え!?もしかして天気回復!?

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「今日、白馬雨降らんかったみたいやな。明日も良さそうやな」
帰りの車の中でゴローがスマホの天気予報を読み上げるたび、自責の念がこみ上げた。

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