車を事故った。車線変更の際、よりによって外国人が乗る観光バスに接触してしまった。
ぐわしゃん。
久しぶりのイヤな感触。
バスから出てきた強面の運転手のおじさんに
「どないしてくれるんや!」とバスについた傷と私の車の塗料を指さしすごまれる。
車内の外国人は高みの見物。
こちらもウインカーでアピールはしていたつもりだが、田舎の人間の習性がすっかり身につき、権利を主張したり、相手の誤りを追求することにすっかり腰砕けになっていた。
運転手と乗客にただ平謝りを繰り返す。
すると運転手のおっちゃんはトランクから研磨剤を取り出し、不機嫌そうにゴシゴシ車についた塗料をこすり始めた。
若干の傷は残ったものの、目立たなくなった。
「姉ちゃんかわいいから許したるわ。これから気ぃつけるんやで。」と言って、晴れて示談となった。
バスの窓から笑顔で手を振る外国人観光客たちに見送られ、満身創痍となった車中で考えた。
毅然たる態度なんてクソくらえ、だ。
謝って許されるならいくらでも頭をさげよう!
私は土下座外交の奥深さを改めて実感した。
それにしても事故のショックさえなければ、「姉ちゃんかわいい」のバスの運転手さんの言葉で有頂天だったはず。
うれしさ半減。
返す返すも後悔しきり、だ。
そしてバスのおじさん、ありがとう!!
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