1/17が近づくと、防災関連の特集が目立つ。
1/12付け愛媛新聞では八幡浜での県内初「市自主防災連絡協議会」発足を伝えている。
防災をテーマにした「自助」促進車座ミーティング(県主催)もあり、地震に備えた家具の固定方法や食糧備蓄などの取り組みについて意見交換したという。南予地域は東南海地震への備えが必要なのでわからなくもない。
でも最近気になることがある。八幡浜に限らず、今までは「自助」「公助」「共助」と言われていたのが、いつの間にか「自助」と「共助」だけになって、「公助」が抜け落ちていることだ。
「自助促進」なんて「県主催」でやることがそもそもおかしい。これは「もう公的にはやりませんよ」と言ってるようなもんや。
「お前が言うな!」と、誰もツッコまへんかったんやろか。
阪神淡路大震災では個人への公的保障は1円もなかった。
被害が広範囲で甚大だったから? そんなの理由にならない。
災害時に受け皿になる市営住宅の充実や住宅改修、都市整備など、公的にやるべきことは山ほどある。それをやってこそ、あの震災の経験を生かせるというものだ。
それに災害時の失業や地場産業へのダメージ、生活保障など、行政はどう対応するつもりか、一度でも説明があっただろうか。口を開けば「自助」と「ボランティア」ではないか。こうやって、自治体の役割をはっきりさせず、住民だけに「自立」をすすめる地方自治体に限って、「いざという時は国が何とかしてくれる」と思ってるような気がする。
でなきゃ、住民と自治体がここまでならやれるというグランドデザインを描き、地方から国がすべき保障をはっきりさせる話し合いがなされてるはずだ。
災害への不安は元を正せば公的保障がいかに貧しいか、うすらぼんやりわかっているからだ。
そこから目を背け、自主防災組織だのボランティアだのばかり垂れ流すおめでたい報道にも薄ら寒い想いがする。
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