キャンディーズのスーちゃんがなくなった。
昭和6年生まれの父は、スーちゃんのファンだった。
解散コンサートの日は海外出張になってしまい、
家庭用ビデオがない時代、父は自分に変わってコンサートを見ておくように厳命し、名残惜しそうに出張へ出かけた。
数日後、帰って来るなり玄関先で私と交わした言葉は、
「スーちゃん、泣いたか?」だった。
私は父に対しいいようもない不快感を覚えた。
高校生になっていた姉はそんな父を
「やだねー、中年の男は!」と一瞥。
追悼番組で「はじける若さ」のスーちゃんに見入りながら、
ふと、当時の父の年齢に近づいていることに気づいた。
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