第2木曜日の朝は、公民館でカラオケ教室があるらしく、
通勤のバスでいつも同じオバチャンたちと乗り合わせる。
公民館に着くまでの車中、おばちゃん達はヘッドホンステレオで
自分の歌う曲を聞きながら自主練に余念がない。
で、器用なことに同時におしゃべり。
「田中さん、おはよう!曲決めてきた?」
「うん、『浮き世坂』。小林はんは?」
「ワタシ?ワタシは『命のかぎり』。低音やから唄いやすいねん。それに『がんばれと励ます母の声』っていう歌詞がええねん」
『浮き世坂』といい、『命のかぎり』といい、つぎはぎ感の否めない歌詞といい、いかにもどこにでもありそう。
そのことを家に帰って話したら、
「オバチャンたちにとって、モーツアルトもブラームスも同じに聞こえるんと一緒やろ」と言われた。
なるほど。
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