朝ごはんのおみそ汁用に、宍道湖産のシジミを買った。
夏のシジミは日焼け(?)して、殻が少し茶色味をおびている。
砂出しはしてあるようだけど、もう一度よくこすり洗いする。
貝類の「出汁の味」は好きだけど、「ジャリ」っとくるのが苦手な私にとって、「砂出し」は重要事項。
どうやったら、いかに貝サン達にリラックスしていただき、一粒残らず砂を吐いてもらうか、ホシの自供を促す名刑事の気分。
まず、水の濃度を海水より薄め、「汽水」の宍道湖状態(?)に設定。シジミさん達にふるさとを思い出して貰う。
すると、ゆっくりだけど、プクゥ~っと呼吸をし出す。
そうそうその調子!
単純なヤツなんか、ベロ~ンと舌(?)を出してきた。
暗いところの方がもっと「ナチュラル」かな~、
と思って暗いところへ持っていくと、せっかく開きかけたのが、固く閉じてしまった。
シジミさん達は暗いところはあんまり好きではなさそうだ。
シジミさん達の気持ちがわかりだすと、ちょっといろいろ試したくなってきた。
そうだ!音楽を聴かせてみよう!
モーツァルトだかシューベルトを聴かせて作る焼酎とかはあるけど、
本邦たぶん初!!「音楽を聴かせて砂出ししたシジミ」!!
=音楽を聴かせリラックスさせてしっかり砂出ししました=
というふれ込みでそのまま商品化できそうやんか!
実験1
まず手始めに、モーツァルトのピアノソナタを聴かせる。
すると優しい音色にひとつ、またひとつ、殻を閉じ始めてしまった。
世界的ピアニスト内田光子の演奏もシジミさん達にとっては眠かったか?
でも音楽に「反応」はしたぞ!?
実験2
ではノリのいいものを。
ショスタコービッチの「革命」第4楽章。
モーツァルトですっかり冬眠状態になったシジミさん達が
曲の「サビ」の所で、「ん?」みたいに、プクッ、っとまた反応しはじめた。
「自発呼吸開始しました!」。ひとりER(救急救命室)ごっこ。
それにしてもシジミさん達ははげしいのが好きなのか。
実験3
ってことで、再び静かで今度は規則的なヤツ。
バッハのフーガの技法、コントラプンクトゥスを。
グールドのクールながらも感情に訴える演奏に対し、
シジミさん達にはノーリプライ。
「革命」の後に、開いた口が塞がらない状態。
「革命」を体験した彼(彼女)らは、「クラシック」を受け付けないのか?
実験4
そんならば、もう一度、新しめで激しいの。
ブルックナーの第8番第4楽章。
♪ジャ、ジャ~ン、ジャジャッ、ジャジャッ、ジャジャ~ン
チャラッチャラッチャラッチャラッ
重厚な弦の響きに冗談みたいな金管の高らかな音。
おおぅ!シジミさん、再び活発に呼吸をはじめました!
さすがマエストロ大植英次!
お祭り男の心意気はシジミさんにも通じた!!
まとめ
シジミさんは古典より近現代の音楽が好き(?)。
その後
シジミさん達は次の日の朝ごはんになりました。
「食べられる前に名演の数々が聴けてよかったね」とゴローに言うと、
「さんざん振り回されただけ」だって。
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