父の病室は4人部屋だが、
人生いろいろ、病気もいろいろだ。
ガンの検査入院らしいやたらうわさ話好きのおっさん。
ブツブツひとりでひきこもっているおじいさん。
となりのおじいさんは脳梗塞で運ばれたららしい。
自分ではトイレまで立てず、身の回りのことも自分でできず
(自分でやる習慣がない?)
一日中ベッドに座ってぼんやりとしている。
つれあいのばあさんも同じ病院に入院中。
杖をつきながらじいさんの世話を焼きに来る。
「ホンマ、自分で顔も洗わへんねんから!
きったないなぁ。これやったら河原乞食のほうがマシや。
わやくちゃ(めちゃくちゃ)や。クッサイ、クッサイ!・・・」
自分のダンナをそこまで言うか?
おばあさんはトイレにあった消臭剤をおじいさんの尿瓶やベッドにふりまく。
それでは飽きたらずおじいさんに向かってシューシュー。
「これで少しマシになったやろ」
・・・って、アンタ・・・。
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