アジのヌタ 20190203

アジのヌタ

 実家から白菜を1個もらってきた。
 凝った食事をつくる気になれず、平天といっしょに煮ることに。
 http://www.reizaru.sakura.ne.jp/saru/?p=11388
 スーパーに行くと、平天は5枚組しかない。「欲をこくな。1枚だけ入れろ!」と指導されていたから、5枚も買うわけにはいかない。
 隣に石川県七尾市のスギヨ製の「加賀揚」があるからそれを買った。
 平天だと1枚で十分というが、加賀揚は味が薄めだから全部入れた。しょうゆの量をレシピより少なめにして、5分ほど白菜と煮つめた。
 味が薄いからしょうゆ大さじ1/2を加え、ミリンも大さじ1ほど入れたら、それなりの濃さになった。

 もう1品は刺身にするつもりで、2割引のアジを買った。
 スーパーを出てから、「刺身を入れたヌタをつくってみろ」と鬼コーチに言われたのにホタルイカのヌタを作ったことを思い出した。
http://www.reizaru.sakura.ne.jp/saru/?p=11445
http://www.reizaru.sakura.ne.jp/saru/?p=11501
http://www.reizaru.sakura.ne.jp/saru/?p=11295

 商店街の八百屋を見ると、細ネギを1把70円で売っている。

 つくれってことね。

 ネギのゆで時間を忘れて、太い部分がちょっとかたい。辛子酢みそを作るつもりが、カラシを入れるのを忘れたからあとから加えた。それでも、酒のあてになった。
 白菜の煮物だけじゃ達成感がないが、ヌタもつくれば満足感を得られて、灰色の1日にちょっとだけ彩りが加わる。
 なんだか鬼に遠隔操作されているような気がする。

 葬儀が終わって2,3日後、いてもたってもいられず自炊をはじめた。
 それも彼女に動かされたのかも。
 料理がなければ、外で飲んだくれて帰って、家では泣き暮らすしかなかったろう。自炊している時間だけは、心の動きは無でいられる。
 「死者は実はすぐ隣に実在している」と説く若松英輔の本を読んでいるからか、僕がこうやって飯をつくっているのは、実は鬼コーチに導かれているのかも、と思えた。

 今だけそう思うのかもしれないけど。

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