菜の花忌

司馬さんもドラマ化反対
司馬遼太郎を偲ぶ「菜の花忌」。
13回目の今年はNHK大阪ホールで開かれる。
確か毎年、東大阪の記念館で開かれていたと思う。
特定のメディアの舞台で行われるのは、「坂の上の雲」のドラマが始まるからだろう。
「『坂の上の雲』-正岡子規とその時代の明るさ」をテーマに、シンポジウムには
中村稔(詩人・弁護士)、篠田正浩、安藤忠雄、関川夏央が参加するという。
「明治の明るさ」なんて、どーせ、「江戸時代の身分制度から解放されたこと、西洋文化が新しい時代の風を吹き込んだ」みたいな話だろう。
でもって、「確かに『女工哀史』など、現在の『ワーキング・プア』など、似たような状況がありますが」、なーんて、気を利かせてくれるのだろう。
「坂の上の雲だけはドラマ化するな」と遺言までのこしたの司馬氏のことを、どれだけの人が思い出してくれるのだろう。
シンポジウムと抱き合わせの「菜の花忌」もすっかりイベント化。
しかも「時代の明るさ」とはおめでたいことだ。

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