【材料】
・大根20センチ
・スルメイカ2匹
・昆布
・酒・ミリン・しょうゆ・砂糖
大根が余ってるから何にしようか? 豚バラ肉との酒かすの煮物ならば、俺でもなんとかできそうだが、久しぶりに行ったスーパーに富山産の新鮮なスルメイカがあった。
「やってみるか? いや私がやった方が無難かな」と鬼コーチもためらっている。
「やらしてやるから、すべて私の言うことを聞くこと。アレンジはまかりならん」と原子力発電所の定期点検のような厳密な命令が下った。
大きめのフライパンに昆布を敷いてちょっと水を入れておく。大根を厚さ1.5センチの半月切りにしてふたをしてから火をつけ、グツグツと沸いてきたら火を弱め、大根が透き通るまで下ゆでする。
「だいたい何分ぐらい?」と尋ねると、「何分かなんて、素材の厚みにもフライパンの種類にもよるやろ。状態を見て判断する。ブルースリーじゃないけど、考えるな、感じろ、や!」
イカはまず胴体部分から足や内臓をはずす。
「ぜったい墨袋を傷つけるな。飛び散ったら大変なことになるから、そっとはずしていくんやぞ」。墨袋は環境への流出が許されない放射能扱い。原発の燃料棒の交換のような慎重さを要求される。
それから胴の薄皮をむく。素手ではすべってなかなかむけない。「ほれ、これを使え」とクッキングペーパーを手渡された。いとも簡単にむけた。
胴体の内側の骨や、奥にある内臓を抜き取る。
墨袋や目玉部分は惜しげもなく切って捨てる。
「あのぉ、内臓とか、もったいなくない?」と尋ねると、「私の言うことを聞けと言ったやろ」。
胴体は幅1.5センチほどに輪切りに。足の吸盤は舌ざわりが悪いから除去しておく。
大根とは別の小さなフライパンに切ったイカを入れて、酒(大さじ3)、ミリン(大さじ2)を加えて火にかける。全体が白くなってきたら、しょうゆ(大さじ2.5)を加える。イカはゆですぎると堅くなるから、大根とは別にゆでるんだそうだ。
このイカを煮汁といっしょに、大根をゆでたフライパンに投入し、ふたをしてグツグツしてから3分ほど火にかけ、さまして味をなじませる。
食べる前、ふたを開けて強火で汁を煮飛ばす。
甘さが足りなければ砂糖を足す。
ところで大根って、1人あたりどの程度食べるんだろう。
「その日の夕食と、翌日にもちょっと残したいと思うなら1人10センチやな」とのこと。今回は2人前なので20センチほど使った。
この日は、野菜スープとインペリアル納豆(パセリとオリーブと納豆)も添えた。
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