「今夜はなにつくるん?」
朝、料理する気満々で鬼コーチに尋ねると、
「うんまあ、ヒジキでもやるかっ、まあこれから考えるわ」と、素っ気ないし要領を得ない。
午後、買い物袋をぶらさげて帰ってきた。
サンマが入っている。
おお、秋だもんなあ、脂ののったサンマはうまいよなあ。
鬼コーチはグリルを使うのはいやがるから、電子レンジかフライパンで焼くんやろう……と料理する気満々で心の準備をしていた。
夕方、自分の部屋で本を読んでいると、台所からコンコンとまな板の音がした。
「どうしたん? もうつくるんか?」と尋ねると、
「まだええで。ゆっくりしとき」
やけに声色がやさしい。
「なんでもやるで。ヒジキやろ? 野菜を切ったらええんやろ?」
と聞くと、眉間にちょっとしわをよせて
「そんなにつくりたいんか?」
え、え、どういうことっすか。ちょっと考えて、わかった。
「要は『おまえがいるとかえって手間がかかる』って言いたいんやろ?」
鬼コーチは何も言わず無表情で作業をつづけた。
そして40分後にできたのがこれらの料理。
「ハッキリ言うけどなあ、おまえに教えている時間があったら、3食分できてまうわ!」とのことでした。
滋賀もおいしい酒が多い。今回の喜楽長もあたり。
ちなみに今までで一番おいしかった滋賀の酒は「松の司」
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