鬼コーチが帰ってくるにあたり、1品はつくっておかなければ、「さぼってええと思っとるんか」と、どやされかねない。
鬼コーチが机の上に置いていた「冷めてもおいしい 和のおかず」を開いたら、いかにも簡単そうなメニューが。
昨夜のうちに材料を買いに行った。
トマトは3個と書いてあるが、大きいのを2つに。シシトウ5本と書いてあるけど、1パック10本入っているから使い切ろう。「太白ごま油」って書いてるけど、ふつうのでええやろ。
「厚揚げ200グラム」と書いてあるけど、スーパーの厚揚げには「グラム」は書いてない。豆腐1丁が300グラムだから、そのくらいの大きさの厚揚げを買った。
困ったのは「ショウガのしぼり汁」。ガーゼで搾るなんてめんどくさい。ネットで検索したら、「すりおろして、容器を傾けて指でギュッと押せばいいですよ」。なるほど、それなら簡単だ。
けさ7時に起きたら「きょうは午前中に帰るぞ」とメールが届いていた。
急がなければ……。
■トマトと厚揚げの炒め物
(レシピには3,4人分と書いてあるが、2人でちょうどよい)
・トマト大 2個
・シシトウ 10本
・ごま油 大さじ1
・しょうゆ 大さじ1
・ショウガ 1かけを、一部はしぼり汁(小さじ1)に、一部はすりおろしに。
トマトは縦に6等分なのだが、へたをどう取ろうか。学生時代はもったいないから、へた部分だけをえぐっていたが、見た目は悪くなる。
「ばっさり切って、もったいないなら、その分を食べればええやろ!」と鬼コーチ。
まっ、そりゃそうだ。
フライパンにごま油をしいて、厚揚げをこんがりするまで焼く。トマトとシシトウを加えて強火でざっと炒めて火を止め、しょうゆとショウガのしぼり汁(小さじ1杯と書いてあるけど、2杯投入)を入れる。
すり下ろしたショウガはラップをして冷蔵庫に。
昼過ぎ、帰ってきた鬼コーチは冷蔵庫のショウガを見て「なんやこれ?」とにらむ。
「ショウガやけど……」
「色が黒いけど、ちゃんと皮むいたか? しかもずいぶん汁が出てるなあ」
むいた、つもりだけど……
「ショウガ汁はどうやってしぼった?」
「ネットで調べたら、指でギュッとやればよいって書いてあった」
「ふんっ、お前レベルのヤツが他にもおるんやな。で、あまったショウガはどうした?」
「すりおろしたのをそのまま食べた。のどにええし」
「おろしたショウガは小分けにしてラップで包んで凍らせておけばええって教えたやろ。細切りにして蜂蜜で漬けたらジンジャーシロップになって、炭酸水で割ればジンジャエールや」
夕食はもう2品。
▽切り干しダイコンとキュウリの酢の物
切り干しダイコン(30グラム)は、洗ったあと、水やぬるま湯でゆっくりもどした方がよいのだけど、今回はザアっと熱湯を注いだ。やわらかくなりすぎないように、キッチンタイマーを5分にセット。かんでみるとまだちょっとかたい。さらに5分でちょうどよい歯ざわりに。けっこう大きくふくらんだ。水で洗いながら冷ます。でろんと長すぎるから適当な長さに切っておく。
その間にキュウリ1本を千切りに。「千切りってどうやるんだっけ?」と質問すると「もう忘れたんか! 一度言ったことは覚えろ」と鬼コーチ。斜めに切ってから重ねて細く切る…と実演されて思い出した。
キュウリは保存容器になるタッパーに入れ、その上に、切り干しダイコンをしっかり搾って入れる。私が搾ったあとの切り干しダイコンを手にした鬼コーチは、分身魔球のために硬球をつぶすバンババン(侍ジャイアンツ)のように力をこめて水を搾りだし「なに手を抜いてるんや。まだこんなに水が出るやんか! ええか、これからしょうゆを入れたらキュウリからも水が出るんやぞ」と説教がはじまった。
酢(大さじ1)としょうゆ(大さじ1.5)、すりごま(大さじ1)、ごま油(大さじ1弱)を入れてよくまぜる。砂糖をちょっと加えてもおいしいらしいが、今回は入れなかった。
▽2品目はトウモロコシ。
ラップでふんわりくるんで電子レンジで1分。まだちょっとかたかったからさらに1分。ゆでるよりもしゃきしゃきした感じが残っておいしい。
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