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古座街道4 大附〜佐本深谷

午前9時、大附発。
バス停から橋を渡ってまもなく林道になる。ゴーラがあちこちに置いてある。

金比羅まで炭焼き跡-1

炭焼き窯を通りすぎてすぐ、右手の狭い尾根に苔むした石段がある。てっぺんまでのぼると金比羅さん。

金比羅まで-8

周囲はスギなのに、お宮の周辺だけ、紅葉などの広葉樹がある。
川沿いをさかのぼり、斜面をのぼり、隣の谷の源流部をわたってさらにのぼると次第に森が明るくなり、鳥の声も近づいてくる。

法師峠まで-5

9:56、法師峠着。
風が吹き抜けて涼しい。夫婦杉がそびえ、その根元にお地蔵さん。

法師峠まで-8

反対側への下りは岩の上に緑のこけがふわふわしている。昔の石畳の跡かもしれない。人が少ないから苔がはえたのだろう。

石積み荷車道まで-5

道の下に立派な石積みがある。「荷車道」「明治時代の石積み」と地図には書いてある。

橋まで-4

10:30、橋を渡って車も走れる林道に出た。ゴーラだらけのゴーラ街道だ。小さな日本ミツバチが頻繁に出入りしている。

ゴーラのハチ-6

梅もないのに、何の花の蜜を集めるのだろう。
川沿いの林道をくだるとイノシシの罠がある。「ビスコがおいてあったら、私がひっかかるわ」
10:40、舗装道路に出た。川の対岸は猪垣のようになっている。
丸太の一本橋があり、対岸に橋脚がわりの石積みがあるから昔から使われたのだろう。集落があったのだろうか。
川側の石積みは棚田の跡だろう。

慶応の石仏-2

10:53、慶応年間の石仏地蔵と猪垣。
杉を伐採して全貌があらわになった棚田跡がある。城のように立派な石垣もある。

伐採した棚田跡-6

しだいに谷が広がり、平地があらわれる。田んぼに水が入り、田植えもはじめている。

大泉寺まで-4

大泉寺まで-5

石垣が立派な寺が左手の高台にたっている。11:23大泉寺に着いた。
境内にお地蔵さんがならび、「山界萬霊」の碑もある。

大泉寺まで-10

「垣内」という地名が多いのはなぜなのか。栗垣内というのは、猪垣をめぐらせた里で栗を栽培したということなのだろうか。
昼飯としてコンビニ握り飯を1個頬張った。

広い里だ。「僻地集会所」がある。車道がつく前は、たどりつくのは大変だったろう。

安永の庚申さんまで-1

コイノボリのある集落に役行者?の像をある。
栗垣内の福田家と役行者像-2

同じ集落の石垣の立派な民家「福井家」を見学した。

栗垣内の福田家と役行者像-6
熊本城のようなそりかえった石垣で城のようだ。

栗垣内の福田家と役行者像-8

大きな蔵もある。なぜ栄えたのだろう。大山林地主なのだろうか。
栗垣内の福田家と役行者像-7

栗垣内の福田家と役行者像-16

きのうから見ていた紫の花の木があった。実がなっている。

安永の庚申さんまで-6

「ヘーゼルナッツや、ハゼや?」とサルは言うが…

安永の庚申さんまで-12

安永の庚申さんをへて、12:06に県道の栗垣内口のバス停に着いた。

佐本の中心街-4

12:14、佐本の集落に入る。郵便局や床屋跡、酒屋跡、「喫茶スナック」……役場の佐本出張所もある。かつては村役場があったのだろう。

佐本の中心街-7

旅館らしい建物もある。JA佐本店は休んでいるのか閉鎖したのか。ガソリンスタンドもまだ経営しているのだろうか。昔の繁栄がわかるだけに静けさが際立つ。

佐本の中心街-11

佐本の中心街-12

集落を抜けると、左手にこんもりした小山があり鳥居がある。中山神社という。

中山神社-11

参道の石橋は反り橋(太鼓橋)になっている。明治14年につくられ、地震でもびくともしなかったらしい。向かって右の狛犬は玉石をくわえている。

中山神社玉をくわえた狛犬-1

中山神社玉をくわえた狛犬-2

しかもその石が動く。ラムネのビー玉のよう。風変わりだ。社殿まで長い石段を往復する。

佐本小中学校跡-1

12:30発。目の前に学校の立派な建物があるが、すでに廃校になったようだ。

共産公明ポスター-1

町営住宅らしい建物群があり、田舎には場違いなロータリーも。その奥の高台に臨泉寺という寺があった。

臨泉寺-1

臨泉寺-4

ロータリーから畑のなかの草の道をたどる。昔の道はこんなだったのだろう。

小道をぐるりトイレまで-3

数百メートルを迂回して県道沿いの中の川口のバス停のトイレに出た。

小道をぐるりトイレまで-4

観岩寺まで-2

道の左手の法面の上に観音と石仏を見学し、西の川口のバス停のキイジョウロウホトトギスの案内板を見て、左手の坂道をのぼる。

観岩寺まで-8

石塔や石仏、墓石があらわれた。
13:24、観岩寺。ツバメが飛ぶ鏡のような水田を見下ろせる。
観岩寺まで-15

境内には社もある。本堂は民家のよう。檀家の家を移築したのだろうか。

観岩寺まで-20

墓地は集落をみおろす高台にある。竹がザザザーと風にそよいで、落葉がパラパラと転がる。照葉樹の落ち葉はこの時期なのだ。田んぼは鏡で、若葉の山は緑の錦のようだ。

だんだか道-4

トンネルの手前から左手の山道「だんだか道」をのぼり、10分ほどで峠に着いた。

広葉樹の森は枯葉がサクサクフカフカしている。

だんだか道-10

照葉樹の枯葉は重いから飛ばないのだ。杉の森に入ると、地面が露出して堅いから足の感触で森の変化がわかる。
14:02、県道に降りた。

だんだか道-12

嘉永年間の石仏がある。すぐ深谷のバス停に着いた。

佐本深谷-1

それにしてもこの古座街道。カネを落とすところがまったくない。自販機さえもたまーにあるぐらい。

ここと比べたら中辺路なんかは大観光地だ。(つづく

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