波照間に行きたかったがきょうも欠航。9時10分発の小浜島行きに乗る。2人で往復4680円。
右手に竹富島、左手にうっすらと平べったい島が浮かんでいる。さらに先には、高い山がある西表島が浮かぶ。
その手前にあるのが小浜島までは30分ほど。
客引きのお姉さんについていってレンタサイクルを借りる。
オレはふつうのママチャリ。サルは電動自転車を選んだ。1日2人で4500円。レンタカーより高い。
さっそくきつい坂をのぼると大岳のふもとに。
急な石段を5分ほどでてっぺんに出る。
西表方面はリーフに囲まれているから波が静かだ。沖のリーフのまわりには白い波がたっている。
大岳をおりて小浜島の集落に入る。
竹富よりもさらに落ち着いて静かな集落だ。
サンゴの石垣に囲まれた赤い瓦?の民家があちこちにある。
ちゅらさんの舞台になった建物〓は重文に指定されたらしい。落ち着いたいい家だ。
駐在所で若い私服のおまわりさんが掃除をしている。小さな女の子2人が「こんにちはー!」と声をかけてきた。小説に出てくる光景のよう。
診療所は白い建物だ。ドクターコトーの世界だ。
古い民家か倉庫が民俗資料館になっている。昔のアイロン、銅山の鉱石、竹の篭、織機……。
明治36年に人頭税が廃止されて土地制度が個人有地となったという。沖縄の資料館にいくと必ず「人頭税」という言葉に当たる。それだけきつい奴隷制度に近いものだったのだろう。
集落を離れ、ちゅらさんで有名になったシュガーロードを走る。
今の時期は収穫が終わっているからサトウキビのトンネルを走るような感じではないが、ところどころに残っている畑は、風に揺れるサトウキビが、ざわわわと揺れて波が打ち寄せるようだ。
星野リゾートは通過し、ハイムルブシリゾートに入ってみる。マウイ島のハナマウイに似ている。芝生のなかにコテージや宿泊棟がたち、電動カートが行き来する。こういう環境がアメリカ風の「リゾート」なのだ。
プライベートビーチ、も行ってみた。
打ち上げられたかわいたサンゴの枝でサルはまた「トイレ」をつくっている。「ここは宝庫だね」とうれしそう。
岩の上に「トイレ」の文字をつくり、「トイレ行きたくなっちゃうからもうやめる」と、作業を突然やめた。
反対側の先端の岬へ。畑は赤土だ。海への流出を防ぐための林があるという。
岬の先端へとおりていく。目の前に西表島が浮かぶ。
マウイそっくり。先端の集落にはカフェが3軒あると聞いていた。サーファーが集まりそうな白のイメージの集落だが、カフェはどれも休みだった。「うらみまーす」とサルがうたいだし、「おらの腹ぺこ、史上最南端や。史上最南端の腹ぺこや」と言い出した。
岬と岬の間のへこんだ部分、川が流れこむ場所にあるマグローブ林を訪ねた。
上からみると、河口があって、海水と淡水がまざりあう部分にマングローブ林ができることがよくわかる。規模が小さいから全体像が見えておもしろい。
ところがマングローブの近くにおりていくと、マングローブ林と陸側の間にコンクリートの防波堤ができている。
こんなところにコンクリートの壁をつくってしまって、マングローブは大丈夫なのだろうか。上流からの水と海水がうまく混ざり合うのだろうか。堤防の陸側には、地中を掘り進むシャコ?のような生物の泥塚がいくつもある。これも海側との連絡が絶たれたらなくなってしまわないのだろうか。マングローブ側にはヤシガニの穴がいっぱいあいている。これも大丈夫なのか?
朝のぼった大岳の反対側の海岸沿いを走る。馬や牛、ヤギによくでくわす。
途中、リゾート施設内にあるカフェに行ってみるがここも休み。
13時40分に出発地の港に到着。
カフェのひとつに入って、すじ肉のハヤシライスと、タコライス、それに生ビールをたのんだ。
昼食後、港の先のビーチまで走ると、精糖所があり、砂浜ではパラセーリングを楽しんでいる。
14時40分発の船に乗ることに。乗客が降りたあと、すさまじい量の荷物がおろされる。大量のトランクだ。
「じじーばばーが多いから紙オムツが多いんやで」
「ちゃっちゃとやれや」
「お荷物がお荷物もってどこいくんじゃぁ」
(若い子には)「どれだけ服もってきとんじゃ。めかしこんでもいっしょじゃー」
やけにサルが荒れている。と思ったら、港で買ったアイスを手にもっていた。
とけるのが心配だったのだ。「小浜島の黒糖アイス」。黒糖の味がおいしかった。
15時15分ごろ石垣に着いて、宮良殿内へ。ここも10年ぶり。正方形の伝統的な家だ。
正方形だと、中心は真っ暗になる。障子を外して大広間にして使った時代にあったつくりなのだろう。
10年前にいろいろ話してくれたおじいさんはいなかったが、息子がいた。お父さんは94歳の今も元気で、施設や病院で暮らしているという。
台風の風をやわらかくして庭に導入するフクギの話などをしてくれたことを思い出した。
町への帰り道、ブラジル料理店を見つけた。移民でブラジルに行き、帰ってきた人の子孫だろうか。「旅の宿」というコンクリートの建物があった。1週間2万円という。「Peace in Palestine」と書いてある。どんな関係なんだろう。
「ベルハーモニー石垣」という建物がある。葬儀場かと思ったら「スペイン調の家具をそろえたホテル」だそうだ。
公設市場にもどってくる。路面に「5と4」のミンサー織りの図柄が記されている。
5と4というのは「いつの世までも末永くともにいてください」という意味だそうだ。
ユーグレナ(ミドリムシ)の店へ。ユーグレナのスムージーを2杯たのむ。
キウイ・グアバと、パイナップルゴーヤ。たっぷり野菜がとれて健康的だ。
夜は「うさぎや」へ。19時からライブ。これがおもしろい。
男は手をグーをして障子をあけるようにして踊るんだそうだ。なるほど。
客のあいだに一体感ができて交流が生まれる。料理もおいしかった。
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うさぎや新館 9000円(ライブチャージが約500円)
ヒラヤーチ
ジーマミ豆腐
島豆腐サラダ パパイヤサラダ
泡盛(赤馬、白百合、おもと) ショウガ酒、石垣ビール2本
20141221 (つづく)
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