能登町の国重地区は、山あいにある20軒ほどの集落だ。
かつてはどの家でも「あえのこと」をしていたが、いつしかやらなくなっていた。
住民たちが数年前、集落の随一のおやっさまだった吉村家で復活させた。
12月に田んぼから迎えた夫婦の神様を、2月に田んぼに送る。
まずは風呂に入ってもらい、そのあとごちそうでもてなす。
お銚子の酒をつぐ。
ざぶとんの上の榊が神様のかわりだ。
神様に供えたごちそうのお下がりは、子どもたちの楽しみだったという。
あずきごはんは、赤飯ではなく、ふつうの米だとか。
「昔はこれほどごちそうじゃなかったよ」という人も。それぞれの家でやっていたから、隣の家のやり方は意外に知らないとか。
真言宗の家は、かみさんを田から送り迎えするなど、フルコースでやっていたが、浄土真宗の家は、神棚に祀る程度の家が多かったという。
ごちそうが終わると、目の見えない神様の手をとって田んぼに案内する。
まだまだ雪深い。
今年の豊作を祈願して終わる。
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