9月10日、まずは「やなぎだ植物公園」へ。
星空コンサートといってもあまり期待していなかったが、芝生の丘一面の伝統のアートは見応えがあった。「ピッコロ」というレストランで食べた、高校生が考案したというドリア「ノトリア」は、キノコやナスなどの野菜たっぷり。
能登半島先端の寺家へ転戦。
男が女物のような色鮮やかな浴衣を着流し風にはおり、帯も鮮やか。
中秋の名月前々日のほぼ満月の下、闇のなかにひびく鈴の音もよい。
女装かと思ったらちがうという。漁村の晴れ着なのだ。
それぞれ呉服屋で買うとしたらけっこうな金額だろう。
輪島・海士町のエプロン姿の「女装」と比べてもよっぽど女っぽい。あのがさつな女装もまた笑えていいのだけど。
高さ最大16メートルあり、県内1、ということは全国1のキリコが4本、海沿いの道を太鼓の音を鳴らしながら神社にすすむ。
満月にきらめく白波が、海岸に幾重にも打ち寄せる。
巨大なキリコは独特の威厳がある。2人の太鼓のたたき手と子ども数人が乗っている。
女の子たちのファッションも、着崩した浴衣あり、だぼだぼのヤンキー風ありとおもしろい。
神社のわきには巨大なキリコの倉庫。キリコを立てたまま収納できる。これも、珠洲原発の建設計画が進行していたころの電源交付金でたてられた。
それにしても、原発ができなくてよかった。愛媛県伊方町の例ではないが、原発建設が強行されていたら、地域の絆はカネによってずたずたに引き裂かれ、こんな祭りも催せなくなっていたかもしれない。
22時半に寺家を後にする。明日の朝までキリコの祭りは休みなくつづくという。
浜に打ち寄せる波が月光にきらめくのが幻想的だ。
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