門前町の黒島地区の「黒島天領祭」を見学する。
黒島地区は、町並み全体が「伝統的建造物群保存地区」に指定されており、北前船の船主だった角海家の住宅の復原事業がつい最近完成して公開がはじまっている。
祭りのある17日午後、地区を訪ねると、家々の軒先はきれいに飾られ、雨戸は開け放たれている。だが太鼓の音もなにも聞こえない。
しばらくブラブラしていたら、突然、控えめの太鼓の音が近づいてきた。
まずは神輿。
昔は若衆がかついで暴れたのだろうが、いまは台車をつけて引っ張っている。高齢化が進み、とても担げなくなってしまったのだ。
さらにその後ろから、大阪城と名古屋城をかたどり、武者人形やのぼり旗で装われた2基の曳山がついてくる。
昔はたぶん、若い担ぎ手が、勇壮なかけ声をあげて駆け回ったのだろう。
若者がいるのは大学生のボ
ランティアだ。ボランティアという形で祭りに参加してもらう、というのは、単に人手不足を補うだけでなく、地域にとっても学生にとっても意義深いことのよ
うに思える。
曳山には法被姿の幼児が乗って、眠そうにしたりはしゃいだり。
高齢化はきびしいが、数少なくてもここに育った子は、祭りによって「地域」を実感し、記憶に刻みつけるものだ。
外部の若者の力を借りてでも、存続してほしいと思う。
木の棒をつかって曳山の進行方向を調整する。
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