松江最大の祭り「鼕行列」の日は、遠くから太鼓の音がどんどこどんどこ響き渡り、いてもたってもいられなくなる。堀に白鳥が泳いでいるのを今年はじめて見た。もう冬が近いのだ。
ヘルンの小径で「ぶぶダンゴ」を食べたあと、太鼓の囃子の音につられて城の反対側に降りると、内中原町の鼕があった。
直径1・2〜1・8メートルの太鼓を載せた屋台を数十人の子がひき、巨大な太鼓を8,9人でたたく。カニ歩きしながら太鼓をたたくのは難しそう。
「子どもが力仕事をして鼕を引いて、大人が太鼓や笛を楽しむなんて、ひどい祭りですよねぇ」と言う祭り関係者がいた。笛は周囲を歩きながら吹く。
祇園祭りの鉾は上に乗る。鉾ほどの発展を遂げなかったのは経済力の違いだろうか。
(刺し子の法被。今はこんな法被はめったに見られない)
後ろにひっぱる小さな車にはジュースやらビールやらを積んでいて、法被の男女が飲みながら歩く。
あっちからもこっちからも多くの鼕が大手前に集まってくる。町によって形がちがう。
評判のよい石橋の屋台は、屋根のつくりなども繊細だ。お囃子もうまい。北堀のお囃子はテンポが早くて勢いがある。
東本町は歓楽街だけあって粋な感じがする。女性も多い。
午後2時から街中を祇園祭りのように巡行する。あっちからもこっちからも太鼓の音が響き街中の空気が震える。
沿道で酒をふるまう人も。
女の子でも平気でコップ酒をあおっている。
1カ月近く夜な夜な練習して臨む祭りだから思いがこもっている。
観光客よりも地元の人を大切にするスタンスがよい。祭礼が暮らしの中に生きている。
松江大橋をわたって白潟天満宮へ。10台くらいの鼕が終結する。
沿道は見物人でいっぱい。呉服屋は和服を着て出てきて、万年筆屋のおじいさんは家の2階の窓を半開きにして写真を撮っていた。
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