一転、登りに。樹間から大山北壁の壮大な崖や、左手にはきょう登る三鈷峰の岸壁が望める。クガイソウかトラノオのような花や、シモツケソウの可憐な花々が増えてくる。
10時「この先危険」の看板があり、えいやっとのぼると右手が切り立った急斜面になっているやせ尾根に出る。「ぜったい下は見いひん」とレイザルはへっぴり腰でロープにすがりついている。さっきの下宝珠の急坂もそうだが、あまり下りには使いたくない道だ。
でも眺めは最高だ。目の前の大山から東に連なる主稜線への斜面に登山者がチラホラ見える。「えーあんなとこまで行くのぉ。絶対無理やぁ」。そう、あそこまで行くのだ。
10時5分、上宝珠越の分岐に着く。「元谷、砂すべり」という看板がある。帰りはここからおりればよいわけだ。稜線上にユートピア小屋が見えてきた。
生い茂る草木をかきわけながら、約20分ほどで小屋の下の尾根にたどりついた(10時半)。
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