スノーシューをしに大山にでかける。
早朝、大山のふもとに入ると、雪がずんずん増えて、路面も凍結している。どうしようかな、チェーンをつけようかなと迷いつつ、時速20キロで後輪をツルツルすべらせながらのぼっていくと、氷がぱったりと消えた。なぜ? 雪かきしているからか? と、思いきや。道路の下に道路をあたためる装置をそなえた融雪道路なのだという。すごい。
駐車場周辺はもう雪だらけ。八ヶ岳か軽井沢の冬を見るかのようだ。
午前9時、モンベル前で集合。ガイドの夫婦とモンベル社員、客はぼくら2人だけ。
昔かんじきは履いたことがあるけど、がに股歩きはけっこうしんどかった記憶がある。
スノーシューははくのも簡単、歩くのも簡単なのにおどろく。
大山寺方面へ。途中から道など見えぬ山の斜面をのぼっていく。木々は雪の化粧で白く輝く。
ときおり、動物の足跡がある。
ウサギは前足を軽くついて後足で思い切り蹴る跡でわかる。タヌキは酔っぱらいのように、右に左にふらふらと歩く。狐は足跡が一直線についている。
イタヤカエデとブナの見分け方は、同じような木肌の色だが、イタヤカエデは鱗のようなひび割れがあり、ブナはすべすべしている。ブナの幹についている黒い筋は、葉で水を受け、枝を伝い、その水が幹を伝った跡だという。「ブナは雨水を自分の根元に集める。葉っぱはなかなかくさらず地中で水を保つ。だからエコなんです」
沙羅双樹の木はまるで迷彩服のよう。樹皮がはがれた跡がそうなっている。でも、下界ではこれほどカラフルにはならない。別名、ナツツバキとも呼ばれている。
時折青空がのぞくと、雪を載せた木々の枝先から白い蒸気があがっているのが見える。
雪が深い。靴だけだったら、とても歩けないだろう。スノーシューをはいても、新雪の斜面をのぼるのはけっこう体力をつかう。ガイドがいるから楽にのぼれるのだ。でもせっかくだからできるだけ新雪を歩く。
積雪は80センチくらい。吹きだまりでは2メートル近い。案内板が雪に埋もれ、カーブミラーが雪面ぎりぎりの足もとにある。夏場はとどかない木の枝に手がとどく。1メートル高いところを歩いているから当然夏よりも風景は見えるのだろう。
爪楊枝をつくるクロモジは殺菌作用がある。独特の香りは楠に似ている。
スキー場わきまでのぼっていく。そこに、樹齢300年というブナの巨木があった。大山の南面には500年の巨木があるが、北面ではこの木がもっとも古い。「パワースポット」とのこと。やっぱりはやってるんだな。
コーヒータイム。最新式のジェット……というコンロは、冬でも湯がすぐにわく。20年前のエピガスはもう古いのだ。
ガイドの人が来ているアウタージャケットは、温度変化にあわせて、脇の下などをジッパーで開放できるようになっている。冬山では汗をかいてはならないから、こういう温度調節できるのがよいという。ジャケットのなかは、下着の上にフリースを着てるだけ。寒いときは薄手のダウンジャケットなどを携行する。ずいぶん冬山の携行品も変化しているようだ。
下りは新雪を大股で下るのが楽しい。雪がクッションになるから歩きやすい。
急斜面は滑り台にして尻ですべる。
下は紅白に出場するドレス姿の小林幸子にそっくりのお地蔵さん。
で、↓こちらは、ブーケを持ってるウェディングドレス姿のお地蔵さん。
12時に出発地点のモンベルの店に到着。しばしショッピング。スノーシューは17000円からある。きょうはいたのは19000円のものだった。ポイント3000円分があるから16000円かぁ。ほかと比べてみて、買ってもよいかもしれないな、と思った。
帰りは皆生温泉を通過して境港に寄って、漁港の目の前にある海鮮料理の店「かいがん」で松葉ガニ定食2500円をとる。小さめのカニだが、味は繊細で脂ものっている。冬の日本海の味だった。ちなみにこのほかに天ぷらもついてます。
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