松江から東に向けて自転車を走らせることにする。
着替えをリュックに入れて、荷物をまとめて12時半発。
大橋川沿いの道を東へ。
馬潟の工業団地に、ちょくちょくニュースになっている産廃処業者がある。
東出雲の手前くらい。モダンなカフェ「CAFE NoVI」がある。
国道から奥まったこんなところにあることに驚く。飲み屋で話した人も「松江は隠れ家のようなカフェが多いですよ」と言っていた。
東出雲に入る。ちょっと雰囲気のある通りだ。昔ながらの建物があるなあ、と思ったら、「王禄」の文字。島根でもっとも美味いと今は思っている酒蔵はこんなところにあったのだ。
揖屋の駅をすぎても旧街道風の街並みがつづく。
東出雲って工業が盛んで殺風景というイメージだったが、裏通りを走ると意外な落ち着きが感じられる。
荒島を抜けて国道9号に合流する。まもなく安来だ。
安来もまた、国道から見る風景と街中に入る風景とが大きく異なる。
安来からひとやまこえて米子にでる。ここまで30キロちょっと。大都会だ。
目の前の大山がすばらしい。ここから大山のまわりをほぼ海に沿ってぐるりとまわる。
町を抜けしばらくすると、風力発電の風車が林立している。隠岐に向かうフェリーから見えた場所だ。
海辺のラブホテル。
道の駅の手前の海辺の集落は黒い瓦がいい。
冬に見たらもっと重々しい風景なのだろう。
途中温泉がいくつかあったが、宿泊施設がない。
東伯で泊まろうと思ったが、ここのホテルも満員だった。
大山をぐるりとまわるから、見る角度によって形をかえる。
米子をすぎたあたりからの大山が、岩稜が見えて一番迫力があるかな。
9号線を離れて、内陸をとおる県道に入る。こちらのほうが2キロほど倉吉まで近い。
米子から40キロ走った。あと20キロほどだ。
最初は、いい感じの街並みがあって、写真を写したりしていた。
そのうち、牧草地帯にはいり、信州に似た高原の光景になってくる。
ソバの白い花があったり、トウモロコシがあったり。
だが、ここからがきつかった。500メートルのぼっては500メートル下るのくり返し。
何個目かの急坂で太ももの筋肉がピクピクと痙攣しはじめた。
だましだましのぼって、マッサージしながら下ったら、あとは大丈夫だった。
夕日は山のむこうに落ちた。急に肌寒くなってきた。
2つの川をわたって倉吉の街に入ったのが17時半ごろ。
市役所の近くをとおったのにホテルは見あたらず、駅もみつからない。
街をはずれて大きな川をわたったところでホテル4軒ほどに電話するがすべて満員。
駅に着いたのは18時すぎ。もう一度、ほかのホテルにあたってみる。
「倉吉タウンホテル」は部屋があいていた。さっき電話した立派なシティホテルのそばにコバンザメのようにくっついているビジネスホテルだ。
バイキングの朝食付き5900円。
チェックインする前に「泊漁港直仕入れの なかむら家」(0858・26・3244)へ。
生ビール1杯、地酒2杯(600×2)。
地酒は純米だけをそろえていて、鷹勇はなかなかうまい。
付け出しは南蛮漬け。
刺身5品盛り(1500円)はタコの頭、アジ、鯛……どれもおいしい。
ベラカレイの煮付けも新鮮だ。
最後に冷や奴を食べる。しめて5000円。ちょっと高いが、満足感はある。
ホテルは靴をぬいであがる。釜ケ崎のドヤのよう。でも部屋はきれいだった。(つづく)
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