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安楽寺から1番霊山寺

 朝食を食べて7時25分に宿をでる。缶ビール2本+ワンカップを含め7725円だった。雨が降りだす前に1番にたどりつけるかどうか。


 すぐに旧道に入る。泉谷橋のわきに休憩所がある。トイレがあったら泊まってもいいなあ、と考えていたら、もよおしてきた。吉野川の平野をみおろしてのんびり歩ける。

 

 いよいよ切迫して、消防署やコンビニに寄ろうかどうか迷うが、寺へと急ぐ。地蔵寺にたどりつき、トイレに駆け込んだときは、心底ホッとした。
 寺の裏には五百羅漢がある。受付の小屋ではおじいちゃんとおばあちゃんが居眠りしている。「雨がふらんうちにぃ」という言葉がやさしい。500円払って羅漢を見物した。薄暗い回廊状のお堂に等身大の羅漢がならぶ。

  山に向かって歩く。高速道路を越えて9時10分に大日寺に着いたころには雨がふりだした。急いでいるときに限って道をまちがえる。金泉寺方面の道に入ったのに、高速道路をくぐったあたりでまちがえて、地蔵寺にもどってきてしまった。1キロほどのロスだ。

  旧道をたどって金泉寺へ。住宅地の真ん中に、おそらく無縁仏の苔むした墓が5基6基とならんでいる。野垂れ死んだ遍路がそれだけ多かったのだろう。墓とお堂と新しい住宅地と……組み合わせがシュールだ。

  JRの踏切を越えると板野の中心街だ。旧道沿いでもいくつかの店があいていてホっとする。10時40分、金泉寺に着いたころには本降りになった。
 あと4キロ。だらだらと旧道を歩く。2番札所の直前で車道を離れて左手の高台にのぼり、墓地のなかを歩いて寺にたどりつく。梅の花がちらほらと咲いている。松山か今治か……既視感のある道の風景だ。


  真新しい白衣を着たお遍路さんと、1人、2人とすれちがう。いかにも初々しい。歩きはじめが雨ではしんどかろう。1番の霊山寺の手前にはお遍路用品の大きな店がある。12時15分に到着する。山門のわきにお遍路姿のマネキンがいる。手洗い場や納経所のわきにも西洋風の顔だちのマネキンがお遍路姿で立っている。これもまたシュールな光景だ。


 本堂のわきが納経所で、お遍路グッズを売っている。「出発地」に到着したことを実感する。

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