硫黄岳頂上から赤岩の頭までは岩をまたぎ、尻でずり落ち……してくだる。
12時10分、赤岩の頭は、ちょっとした日だまりの広場になっていて多くの登山者が休憩中。
私らは休まず急斜面をじぐざぐにくだる下山路にはいる。
栂の森をひたすら下るうちにいつのまにか白樺の森になっている。
白樺ってまばらにはえているとロマンチックだが、「森」になると独特のすごみがある。
13時15分、ジョウゴ沢。沢の音をきくとホッとして気持ちいい。
橋のたもとで休憩する。下から続々とあがってくる。週末で天気がよくて、一気に上をめざすのだろう。
13時45分、赤岳鉱泉に到着する。
ふりかえれば、のこぎりの歯のような横岳の岩峰がそびえている。
なんだかもう終わった気分になったのだが、ここからが実は長い。
川沿いにくだり、川を右に左に何度もわたりかえす。15時35分、美濃戸山荘に到着する。
これで到着だぁ!、と思って地図をよくよく見ると、バス停まではさらに50分かかる。
しかもここからは群がるアブに悩まされる。
追い払っても追い払っても、汚物にたかるハエのように何十匹群がり、ときおりかみつく。
休憩もできない。早足で歩きつづけたため40分ちょっとで着いてしまった。
バス停から100メートルほど下にある美濃戸高原ロッヂに泊まる。
7850円と安くて、ビール大瓶600円、ハーフのワイン900円などと飲み物も安い。
鮎や天ぷらや野菜のグラタン、牛肉鉄板焼きなどもおいしい。
デザートにはチーズケーキのムースもついた。
オーナー夫婦も感じのよい人。
東京出身で、山好きが高じて脱サラして30年ほど前に移住してきたという。
高山植物のガイドなどもしている。
足が筋肉痛でガクガクで、8時すぎには就寝する。
着いたときは部屋はちょっと暑かったが、あっというまに冷えて、寒くなってきた。
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