民宿がふるまってくれたパンとバナナを食べて6時半出発。
旧街道から国道に合流し、まもなく安芸市に入る。
大山岬にも巨大な海岸の洞窟がある。空海が修行しそうな洞窟はあちこちにありそうだ。
前回、海辺の防波堤の道は、神峰寺への往復で疲れ切って足を引きずりながら歩いた。きょうは痛くもかゆくもない。
安芸の市街にも土蔵を利用したイタリア料理店や喫茶店がある。居酒屋やスナックも多い。丸ポストもある。高知はなぜか多い。
タイガースのキャンプ地だから、大阪よりもタイガースの旗が多い。
漁港を過ぎて海辺の自転車道に入った。延々自転車道を歩くことになる。
赤野休憩所のちょっと先に遍路の接待小屋がある。小さな教室ほどの小屋に、遍路の人形や絵画、折り鶴などが飾られ、コーヒーも飲める。
琴ヶ浜は、広々とした砂浜と松林が美しい。ウミガメの産卵場所だそうだ。
高架の下の「善根宿 萩森」という小屋は電話をすれば泊めてくれるようだ。
琴ヶ浜の西端の高台には、ガラス張りのおしゃれなカフェがある。近くに「キルギス共和国名誉領事」という家があった。
13時すぎ、香南市に入った。風が吹きすさぶ自転車用トンネルを抜けると、まどろむような海辺のまちに出た。手結(てい)。歴史のある港だという。
海の見える丘の上の宿泊施設に泊まったのを思い出した。あれが2人で最後の遍路だったか。
港の入口には、踏切のついた可動橋がある。奥の港は、17世紀に野中兼山という人が掘湊として整備した。
石積みの護岸が美しい。
かつての港口には大きな常夜灯もある。
夜須駅前の道の駅で買った「イチゴまんじゅう」(250円)は、イチゴが丸ごと入っているかと期待したが、生地に練り込んであるだけだった。
4時間ぶりに自転車道を離れて内陸の香我美という農村集落へ。陸自の駐屯地もある。岸本小学校の敷地に陸軍大将の揮毫した巨大な「忠魂碑」があってびっくりした。教育施設に存在してよいのだろうか。
脇本陣だった長木屋の軒先には、派手な彩りの商品がてんこもりだ。「おっこう屋」という。「まちの人がどーんともってきたものばかりよ」とおばちゃん。再生商品として販売している。「お接待するよ」と言われたが先を急ぐため遠慮した。このまちには「純金蔵」という名所もあるらしい。
左足の親指の付け根が靴に当たって痛い。
「慣れた」と思うころに小指の肉刺ができ、テンポをつかめたと思ったら、今回の痛みだ。ペースが遅くなる。
ファミマで土佐鶴純米のワンカップと明日の朝食のパンを買って、高知黒潮ホテルにチェックイン。お遍路割引があり、1泊夕食つきで8100円だった。
温泉の大きな風呂はありがたい。以前なら夕食で、カツオの塩たたきかメヒカリを追加注文したろう。
そういう欲はなくなったな。(つづく)
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