立山の室堂は思い出が多いからちょっと気が重い。でも室堂を経なければ山歩きもできないもんな。
立山町の独立系のコンビニ「立山サンダーバード」に立ち寄る。ここは熊肉やら猪肉の握り飯、シロエビサンドやチーズたっぷりの立山コロッケサンドなど盛りだくさん。
シシ肉の握り飯350円と立山コロッケサンド400円?を買った。
立山駅からケーブルとバスを乗り継ぎ、9時に室堂に着いた。どんより曇っているが、雨はぱらつく程度だ。
懐かしい道を一ノ越までたどる。いっしょに歩くIさんは我慢強い。「疲れたぁ、おなかすいたぁ」とブーブー言うヤツがおらんのやなあ。
1時間で一ノ越に着き、ちょっと休んで登山道に入る。5年前は花がいっぱいだった。今は花のシーズンを過ぎて種類は少ない。もう秋なのだ。
少しずつ晴れてきて、頂上に近づくと槍・穂高も姿を現した。11時20分雄山の頂上に着いた。
握り飯を食って、500円払って山頂の拝殿でお祓いを受けた。
12時10分発。
巨大な岩が連なる稜線を歩き、12時半に大汝の休憩所。ホラ貝の音が聞こえると思ったら、山伏のお兄さんがいる。以前に雄山で働いて、いまは三重県の神社で神職をしているという。「ホラ貝の音って獣の鳴き声みたいですね」と言うと「ライオンの声が理想だと言われています」とのこと。
15分ほどで富士の折立。岩山の上にのぼっている人が2人ほど。
足もとをのぞくと黒四ダムが見えた。
13時30分、雷鳥沢に下りる大走りと縦走路の分岐に着いた。天気がよいから下るのはもったいない、となり、縦走路をたどることに。
内蔵助氷河と小屋を眺めながら、真砂岳には13時40分に到着。
さらに1時間で祠と小さな池がある別山頂上に着いた。気温13度。
目の前には剱岳の迫力ある山肌がそびえる。大きな氷河が稜線近くまでつながっている。日が傾いて陰影が美しい。これが「点の記」で陸軍陸地測量部が初登頂を果たしたときに登った氷河なのだろう。剱岳はすばらしい。でももう登ることはないだろうな。
15時20分、剣御前小屋。5年前にはここまで登ったけど「雪があってこわい」と言うから雷鳥沢に引き返したんだった。
トイレのチップ100円を払おうとして財布がないことに気づいた。雄山の頂上のトイレに忘れたんだ。頂上郵便局に電話したが「届けはない」という。クレジットカードも、キャッシュカードも免許証も保険証も入ってる。参ったなあ。
雷鳥沢に向けて急坂を下る。Iさんはひざが笑ってしんどそう。当初の予定より30分遅い17時に雷鳥沢ヒュッテに到着した。
2段ベッドの相部屋は9200円。最上階の4階だ。遠くから見るとモダンな建築だけど、屋根や壁などはボロボロ。4階の廊下の端は盛大に雨漏りしている。
風呂を入るまもなく17時半から夕食。ビールと地酒(500円)を頼んだ。
外風呂は温泉だけどぬるかった。寒いから内風呂に入り直した。
太股がつって2度3度目が覚めた。「なあなあ、山の朝はええなあ」と隣に声をかけようとしたら2段ベッドだった。
翌24日、雷鳥沢のキャンプ場から雄山神社に電話すると、財布があった、という。「今から取りに行きます」。疲れたなんて言ってられない。
コースタイム3時間余りのところを2時間で登った。まだけっこう早く歩けるんだ、と驚いた。必死で歩くから何も考えなくてすむ。財布を忘れたのも立山の神さんのやさしさなのかもしれないな。「2度も登って、ごくろうさまです」。お神酒代として3000円だけ置いていった。
夏休み最後の週末だから、登りの道は9時過ぎると蟻の行列のようになっていた。
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