那智勝浦はさすがに遠い。ゆかし潟の湯川温泉から国道を離れ、10時半に夏山海岸に着いた。
ここは太地町だ。芝生の休憩地やトイレがあってのんびりできる。
11時15分出発。
きょうは地下足袋ではなく、モンベルのネオプレン?のソックスをもってきた。本当はかかとのあるサンダルと合わせるとよいのだが。靴を船に積み込んだ。
水に入って驚いた。まったく冷たくない。水もほとんど入ってこないようだ。これなら、カヌーに乗っていて足先が冷えなくてすむ。
公園のある岬の先端が雀島らしい。まもなく目の前に紀の松島が見えた。
狼煙山という山のある細長い半島の先端に、筆島、鶴島、乙島という島が浮かんでいる。
鶴島の形は鶴には見えないが、筆島はよくわかる。縦長で、てんこ盛りの飯のよう。筆先にも似ている。
一番大きな鶴島には海食洞があいている。松島といってもはずかしくない絶景だ。
まずは左手の断崖沿いに進む。湾奥にある建物はホテルだろうか。
湾を囲む崖には小さな洞窟がいくつもある。海賊が宝を隠すのにはかっこうの場所だ。
今回はGRも防水ケースに入れて持ってきた。周囲がけられてしまうのが難点だが、画質のよさに期待したい。
柱状節理やピラミッドのような岩や洞窟や…。なぜこんなに奇岩の景色が形成されるのだろうか。
海面にいくつかの岩が突き出ている。三角形に突き出た岩が目立つ。
「ラクダ島」らしい(11:35)。
ラクダのこぶをイメージしたのだろう。
左の湾奥に勝浦のまちが見えた。その向こうの三角形にとがった山々は那智の山々だろう。
航路になっている海を渡ると中之島。ホテルが所有している島らしい。
小さな灯台をへて、さらに渡ると狼煙山の半島だ。
ここにも、洞窟があり、むこうから時折、水がざざざーと流れてくる。
半島の先端は槍ヶ岳のような二等辺三角形の岩が屹立している。
筆島は巨大な岩がわずかに斜めに立ち上がっている(12:00)。これは陰茎を思わせる。そういう信仰もあったのではないか。
次が最大の鶴島。大きな海食洞に入ってみた。
簡単に抜けられるが、反対側の外海は大きくうねっていて、時折左右の岩礁に白い波が立っているから途中で引き返した。
このさらに沖に、補陀落渡海の伝説がある山成島がある。
鶴島の右手、乙島側にまわるとまた洞窟があった。
乙島はこんもりと盛り上がり、オバQのような形だ。
600メートルほどの海を横切って、陸側にあるラクダ島に渡った。
まだ時間があるから、ゆかし潟方面へ。
目の前の半島にあるのは太地のクジラの博物館だ。
湾の奥へ入り、鉄道の下をくぐり、浅い水路をのぼっていく。
ゆかし潟の入口部分まではのぼったが、浅くて底をするから引き返すことに。
水はしょっぱい。
ちょうど干潮だから陸側から海に水が流れているが、満潮ならば簡単に潟までさかのぼれるのだろう。
Uターンして海に出ると、うねりが大きくなっている。しかも向かい風。しっかりこがないと進まない。
15分ほどまじめに漕いで、出発点にもどった。13時40分着。今日は8.9キロ。
おばあちゃんたちがたくさん散歩に来ている。「車で来た」というおばさん。「このちょっと沖は左から右に潮が流れていて、カヌーじゃ無理だよ」「那智湾は夕方のなぎのときに出たらいいよ。夕陽がきれいで、那智の滝も見えるよ」
なぜこんなに散歩する人が多いのかな。立派なトイレがあり、ベンチがあるからのんびりするのにちょうどよいのかも。
太地町はけっこう住みやすいのかもしれない。
コメント