波高0.5メートルで風も4,5メートルまでという予報だ。
江津良浜から10時半に出発する。
右手に田辺のまちと、神島や畠島が見える。田辺側から神島や畠島に行くと沖合をこいでいるような気がしたが、江津良からみると、湾の奥に位置していることがわかる。
左手の進行方向に番所が崎があって、その突端の沖にあるとがった岩は塔島だろう。
沖合は岩礁があり波が立っている。海岸近くは浅い瀬で底をすってしまうから、沖を大回りするしかない。
番所が崎の山の上には白い建物が見える。建設中の熊楠記念館の新館だろう。そのふもとの台地上にあるのが京大の水族館だ。
11時10分、水族館の裏手の浜に上陸してみた。大きな洞門の向こうに塔島がそびえる風景は絵になる。
塔島に近づくにつれてうねりが大きくなり、白波も立つ。岬の先端は波が高いと教えてもらっていなければ、海が荒れてきた、と勘違いして引き返したかもしれない。
岬の岩壁は、砂礫が固まってできたのかざらざらしている。モアイ像のような岩や、洞窟、洗濯岩のような岩礁……。
恐竜映画で出てきそうな風景だ。
岬をぐるりとまわると、温泉街が正面に広がる。
そして手前に円月島がある。
円月島の裏をはじめてみた。近づいてみたが、裏側は岩礁がつづいき、底を擦ってしまう。
グラスボートが裏側に行かない理由がよくわかった。
反時計まわりに円月島のまわりをまわって、グラスボートが発着する浜に上陸する。11:54
昼食後、せっかくだから白良浜まで行くことにする。
ところが次第に風が強くなってきた。沖合のうねりもけっこう大きい。
権現崎を越えると白良浜の湾なのだけど、権現崎沖から白良浜の湾の入口にかけて白波が立っている。
白良浜はいつも穏やかだから、沖合に波立つ岩礁があるとは思わなかった。
比較的白波が少なそうな場所をさがして、一気に突破した。川の瀬を下るようなスリルを味わって、波のある地帯を越えると、穏やかになった。
岩礁地帯が波を防いでいるから、白良浜の砂浜が成立したのだろう。
砂の流出防止のため、人工の岩礁もつくられているらしい。
白砂の浜辺を見わたすと、白人女性が寝転がって読書して、カップルが歩き、親子連れが1組。
夏の喧噪がうそのようだ。
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