海快晴によると、波は0.9メートルという予報だ。べた凪のときは0.5ぐらいだから、ちょっとうねりがあるぐらいだろう。
西広海岸へ。トイレのある海水浴場はすぐに見つかった。干潮らしい。遠浅の海がずっと遠くまで広がっている。
右には鷹島、左には断崖に囲まれた黒島が浮かんでいる。
干潟は波の縞模様リップルマークができている。
おりてみると、小さなカニが無数に穴から出入りしている。
5ミリほどの砂だんごがあちこちに積み上がっている。
もっと大きなものを西表か石垣で見たが、あれはヤシガニのつくったものだった記憶がある。これはカニのつくる塚だろうか。
水辺が遠いからはじめてカートを使った。
11時45分、出艇。あまりに遠浅で、パドルで泥をかくようにしないと進まない。
湾の出口には杭のようなものが何本か立っている。
船の出入りを防ぐためなのか。それらの杭が出入り口になっている。
トビウオが水面をはねている。風変わりな岩がごつごつとある名南風鼻へ向かう。
溶岩のようなゴツゴツした岩礁の「鼻」に出ると、いきなりうねりが大きくなった。岬の先端は荒れるのだ。
岬をすぎると、右手に苅藻島が見えた。小さな島という印象だったが、ここから見ると堂々としている。
岩壁に囲まれた3つ4つの島が連なっているように見えて魅力的だ。
岩と岩の継ぎ目の部分に浜がありそうに思える。明恵が恋文を書いたという気持ちもわかる気がする。
鷹島に向かう。名南風鼻からは1キロ程度だ。
うねりにさからって進む。デッキを波がたたくほどではない。
島の正面は入り江になっていて、浜がある。近づくと、浜の前に釣りの巨大な筏がいくつも浮かんでいて、釣り竿が林立している。
漁船が往復して釣り客を運び、スピーカーががなり立てている。
「船をご利用の方にお願いいたします…。ライフジャケットをつけて…」。遊園地にいるようだ。
12:23上陸。ここまで2.6キロ、移動平均速度4.4キロ。
鷹島の浜は丸石だらけ。森は木々が密生していて分け入るのは大変そうだ。
この島のどこに縄文の遺跡があったのだろう。
明恵が大事にしていたという鷹島の石とはどんな石なのだろう。
入り江は風裏だから波はおだやかだ。反対側にも浜があるのかなと思って、左に向かってこいでみる。
ごつごつした岩と岩壁だ。小さな浜はひとつある。
神取鼻という先端には、剱岳の頂上のような形のとがった巨岩がある。
岬の岩場に釣り客もいる。岬をまわると苅藻島や湯浅方面の浜を見渡せるが、うねりが大きくなり、水面が波打っている。
白波は立っていないが、この海を苅藻島までこぐのはちょっと怖い。
島1周はあきらめて引き返す。
13:00、入り江の釣り筏群にもどってきた。4.6キロ。
行きと同じ岬にわたり、沿岸の入り江などを見学しながらゆっくりもどる。
干潟は、出発したときよりもだいぶ狭まっている。潮が満ちてきたのだ。
13:45着。7.7キロ。移動平均速度4.3キロ。
日ざしが弱まっているからなかなかかわかない。干潟は泥のように砂が細かいから、カヌーにへばるついてしまって大変だ。
いつの間にか干潟は半分以下に狭まっていた。
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