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熊野古道
熊野古道・紀伊路⑪鰹節発祥の地(塩屋~印南)
切り花と民間信仰の道 御坊市の海沿いの塩屋地区の光専寺には、樹高14メートル、幹周6メートル超、推定樹齢600年以上というビャクシンの巨樹がそびえる。竜巻が渦巻いて空に吸い込まれていくような形状で、大蛇になった清姫を彷彿させる。 観音山の坂を... -
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熊野古道・紀伊路⑩二階王国を震撼させたふたつの選挙(御坊駅~塩屋)
悲劇のテロリストの墓 6月初め、1カ月ぶりに御坊駅におりると、0番線に1両だけの気動車が停まっていた。かつて「日本一短いローカル私鉄」として鉄道ファンに注目された紀州鉄道だ。街外れにある紀勢線御坊駅と御坊市街地を結ぶため1931年に開通し、現在... -
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熊野古道・紀伊路⑨巨石も森も神だった(湯浅〜御坊)
神仏習合の大権現 約20の風車がくるくる回る山に向かって歩いていると、田んぼから今年はじめてカエルの声が聞こえてきた。 津兼(井関)王子跡は、阪和自動車道広川インターの建設工事で消滅したが、インター脇に碑が立っている。 旧道沿いを10分た... -
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熊野古道・紀伊路⑧峠道から醬油の町へ(拝ノ峠~湯浅)
巡礼の墓 拝ノ峠から少し歩くと有田市に入る。尾根から下ると、蕪坂塔下王子跡、太刀の宮(かつての道祖神)、「爪かき地蔵」とつづく。「爪かき地蔵」は自然石に阿弥陀仏と地蔵を線刻している。室町時代の作だが、弘法大師が爪で描いたと伝えられている... -
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熊野古道・紀伊路⑦みかんの原種は常世から(海南〜拝ノ峠)
熊野が発祥「鈴木さん」 早朝の海南の町は朝靄にけぶっている。古びた商店がならぶ旧街道を、緑の屏風のようにそびえる山へ向かう。 藤代神社への途中、左手の山道に分け入ると、十番、十五番……と刻まれた石仏が斜面にならんでいる。ミニ四国八十八カ所... -
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熊野古道・紀伊路⑥埋蔵金と出雲の不思議(布施屋〜海南)
山を掘ったら…… JR和歌山線の布施屋(ほしや)駅におりると、低く垂れこんだ曇から時折雨粒が落ちてきた。 山に向かって住宅地を進んだ三叉路に、お堂やスタンプ台を備えた川端王子跡があった。 左手の高積山(237メートル)はてんこ盛りのごはんみた... -
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熊野古道・紀伊路⑤国の境、ムラの境(山中渓〜布施屋)
仇討ちも事故も押し付け合い 5月はじめ、JR紀勢線の山中渓駅におりると、燃えるような新緑の山峡にウグイスの声が響いていた。峠道を走るランナーが5人おりたが、コロナのせいか観光客の姿はない。 駅前から峠に向かう県道を歩くと、ロードレーサーに次... -
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熊野古道・紀伊路④豊臣と石綿の悲劇
虚栄の塔 JR和泉橋本駅(貝塚市)近くの正福寺が鞍持王子の跡らしいがわからなかった。駅から20分ほどの南近義(みなみこぎ)神社は、鎮守の森に囲まれ、境内は明るい。もとは丹生神社と呼ばれたが、明治40から42年にかけて南近義地域の神社をまとめて南... -
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熊野古道紀伊路③泉州で神話と差別体感
大社になれなかった氷川神社 大仙陵古墳からは、工場と住宅が農村を蚕食して形成されたちょっと殺風景な町をたどる。「日本最古の戎宮」石津神社を経て門前町風の街並みに入ると大鳥大社だ。寺社が中心にある町はどこも独得の落ち着きがある。「大社」と... -
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熊野古道・紀伊路②釜ヶ崎から仁徳陵へ
飛田新地と釜ヶ崎 日本1高いビル「あべのハルカス」の足もとは全国でもめずらしいディープな町だ。 飛田新地は置屋の店先に女の子と客引きの「やり手婆」が座っている。気に入った子を選んで20分1万6000円ほどで遊べる。その西には日雇い労働者の町・釜...