reizaru– Author –
reizaru
-
北海道
ニシンが生んだ最北の酒蔵
ニシン番屋の記憶 石狩川河口付近を渡って日本海岸を北上した旧厚田村の道の駅に能登半島(石川県)の酒を売っていて驚いた。旧厚田村が旧門前町と友好都市だったため、今も石狩市と輪島市の交流があるのだ。輪島に住んでいたころ、市長がしばしば石狩市... -
北海道
石狩河口、縄文人も缶詰工場も鮭が支え202108
札幌市の南西にそびえる藻岩山(531メートル)頂上から眺めると、間近に日本海が広がり、札幌は日本海側の都市なのだとわかる。大雪山系石狩岳を発してうねうねと蛇行して海に注ぐ石狩川(268キロ)がつくりあげた平野なのだ。北海道の中核部をつくりあ... -
北陸
小樽と北前船と戦後日本の盛衰202108
北海道最古の鉄路 函館本線の小樽駅に降りると、坂のずっと下に海がのぞいている。海に向かってちょっと下ると、古い線路と交わった。 北海道で最初の鉄道である官営幌内鉄道(手宮−札幌−幌内)の一部として1880年(明治13年)に開通した旧国鉄手宮線の... -
北海道
余市 ニシンとリンゴとウイスキー202108
NHKの連続テレビ小説の主人公「マッサン」こと竹鶴政孝はなぜ北海道の余市でニッカを創業したのか。余市の風土や歴史はマッサンにどんな影響を与えたのか。余市を訪ねてみると、かつて隆盛を極めたニシン漁や、会津藩士による開拓とのかかわりが見えてき... -
北海道
大地のエネルギーを体感 有珠山麓の噴火跡202108
洞爺湖沿いの有珠山(737メートル)は約30年に1度、噴火をくり返している。 2000年3月には、西山山麓に新たな火口がいくつも出現し、国道と町道を寸断した。新しい火口群を巡る散策路を歩いてみた。 洞爺湖温泉から歩いても30分ほど。山麓の畑のなかを... -
近畿
十津川と新十津川202108
山と谷しかない免租の村 【役場周辺でさえも平地がわずかしかない】 奈良県十津川村は、熊野古道・小辺路の取材で2015年に訪れた。 全国一広い(672平方キロ)村だが、山と谷の連続で平地はわずかしかない。明治の大水害前の田の面積は235町(235... -
東北
智恵子の安達太良山 「ほんとの空」は死の国だった?
仲睦まじい2人の透明感 「あれが阿多多羅山、 あの光るのが阿武隈川」 高村光太郎の「樹下の二人」は中学時代に魅せられて暗記した。 でも福島に通いはじめて、地元の人は「安達太良山」と呼ばず「乳首山」と呼んでいると知り、なぜ光太郎はよそもの言... -
中部
中央構造線はパワースポット 伊那
悲劇の高遠城と藩校 諏訪から峠を越えて、桜で有名な高遠城を訪ねた。武田家の悲劇の城で知られている。 武田勝頼の異母弟、仁科盛信以下3000人が守っていた高遠城に、織田信忠の5万人が殺到した。信忠は盛信に降伏を勧告したが拒否し、使いの僧侶の耳... -
熊野古道
「清らかな伊勢」明治の「文革」の副産物
かつて新聞記者として勤務した出雲(島根県)と熊野(和歌山県)は神話の時代から深くつながっていた。ぼくが育ったさいたま市の氷川神社は出雲系ゆえに「大社」になれなかったともいわれる。死の世界を感じさせる出雲・熊野から見た伊勢は明るく清らか... -
熊野古道
熊野古道・紀伊路⑫津波を防ぐ島は神様(切目~田辺)
みかんから梅へ 切目神社(印南町)の鎮守の森から下るとすぐ切目の町だ。仕出し屋やたばこ、パチンコ、接骨院……ほとんどシャッターを閉じているが、にぎやかな時代があったのだ。 切目駅で紀勢線の線路をくぐり、急坂をのぼりつめた海を望む稜線に中山...