漁師さんと宴会3 磯の香は「カリブ」の思い出

「でも漁師さんって、オサカナも上手にさばけるんだからスゴイですよ!」
「中学出て漁師になったさけ、それからずっとやっとるもんな」
すると、サラリーマンだったおとなしいYさんが据わった目で突然、
「なーも、学歴なんかケンケーない! 輪島の漁師サンは漁師の東大じゃ! いや、東大出なんかよりずっとエライッ!」
わかるようなわからんようなハナシに深く頷き、
「サカナ料理の講習会を若妻集めてやりましょう!」とワタシ。
「恥ずかしくてしゃべれんちゃ」と顔を赤らめる漁師Sさん。(←孫2人)
そしてスナックのママさんが出してくれたハバ海苔を食べて「苦い!」とモンクを言い、
「海苔ちうたら、昔、梅干し入れたでけえ海苔巻が弁当で、あれが恥ずかしくてなぁ…」
「そんな、手摘みの地のりで海苔巻きなんて、ゼイタクやん!?」
「そんなん今やからそう言えるけど、あん頃は恥ずかしかったな〜。先生がうまそうやから、自分のと代えてくれちて…」
次の日の晩ご飯、漁師さんに倣って、地元のハバ海苔で「でけえ海苔巻き」を作った。
磯の香りに、前の晩スナック(カリブ)でつまみに出た海苔を思い出し、二日酔いがぶり返した。

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