宴席 かれんちゃんとバアちゃんと飼い犬

27名参加となった宴会の座席は、
わたし→ばあちゃん→漁師の若いヨメさんと3歳のかれんちゃん。
かれんちゃんは、食べるのに飽きてそうそうにお絵かきを始めた。
隣のばあちゃんが
「何描いてるの?」とのぞき込むと、
「ママの顔!」と元気に答える。
「どれ、ババの顔もかわいく描いてみ?」と、ばあちゃん。
かれんちゃんは大きく首をかしげ、心底困った顔をした。

乾杯の音頭の後、幹事の奥さんが一人ずつお酒をつぎに回ってきた。
ばあちゃんの所に来て、
「クロ(←1年前に死んだばあちゃんちのイヌ)はお寺に持っていったの?」
と埋葬についてたずねると、
「なーも(なーんにも)。おとうが谷に捨てた」と、刺身をつつきながら答えた。
えーっ!!16年飼ってたって、亡くなる2日前になんとも言えない顔でわたしを見つめた、ってさっき言ってたやん!!
となりでガクゼンとしている私を気にとめるでもなく、奥さんは
「自然葬やね。うんうん、それがいい」と流した。
自然葬…。モノは言いよう、だ。

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